炭素繊維ロッドで重要文化財を耐震改修〜一般社団法人 古みんか倶楽部岐阜〜
2017年03月02日

一級建築士の田中です。
3月1日の日経アーキテクチュアの記事に、重要文化財である善光寺 経蔵の耐震補強材に全国で初めて炭素繊維ロッドを使用したと載っていました。
この炭素繊維ロッドは鉄骨ブレースを用いた今までの補強方法に比べて木材を傷つけるリスクが小さく、施工が容易で工費も抑えられるとのこと!!
木材に金物を併用することは当たり前のようになってきている現代ですが、熱が伝わりにくい木材に熱が伝わりやすい鉄を組み合わせることは最良の方法とは言い切れませんね。
木には木をというのが一番の選択肢かもしれませんが、強さを求めると頭の痛い課題です。
この材料、錆も発生しないうえに結露が起こりにくいというからなかなかの逸材ですね。
考え方はいろいろあると思いますが、技術の進歩は著しいので昔ながらの技術だけで問題を解決していく必要はないと私は思っています。
文化財の外観を損ねることなく、見えない部分に今できる最良の方法を施すことは大切なことだと思いました。
いかがでしたか?
本日は一級建築士 田中のお話をご紹介させて頂きました。
古みんか倶楽部岐阜では日替わりで古民家について専門家のお話を掲載致します。
毎週木曜日は一級建築士 田中のコーナーです。
明日は一級建築士 安田のお話をご紹介させて頂きます。
☆古みんかライター 事務局長 永嶺☆