古民家診断(一宮市)〜一般社団法人 古みんか倶楽部岐阜〜
2017年01月24日

先日、古みんか倶楽部にて一宮市において古民家の鑑定を行う機会を持たせていただくことが出来ました。
貴重な経験を頂き誠に有り難くこの場をお借りしてお礼申し上げます。
今回の古民家は意匠的に数寄がところどころ感じられる格式の高い古民家でした。
床も立派に造られていました。座敷の床の間は書院と床脇(天袋、地袋と違い棚)をそなえた本床です。
床の間の構成材料は本床の正式とされている材料でつくられていて、床框は黒色塗り(おそらく漆塗り)、床柱は杉柾の角柱で造られ、床材は高麗縁が使われた畳床でつくられています。
しかも畳床は一般的には畳1帖で造られている場合が多いのですがここは畳2帖で造られています。
座敷の天井はもちろん竿縁天井です。
又、座敷の西に廊下を挟んで増築されたと思われる茶室もあります。茶室の床は蹴込床(ケコミドコ)で床框を省き床板の小口を見せ蹴込部分に竹を使用しています、そして床柱は赤松皮付丸太と思われます。
茶室の柱の一部には杉ミガキ丸太も使われ、欄間には下地窓で趣きも演出していました。
天井は網代天井で棹に竹が使われ、そして下り天井にはヨシ張りです。茶室の間取りは深三畳でいいんでしょうか、点前と客座の間に中板がある茶室を見たことがないものですから・・・
いかがでしたか?
本日は一級建築士 鈴木のお話をご紹介させて頂きました。
古みんか倶楽部岐阜では日替わりで古民家について専門家のお話を掲載致します。
毎週火曜日は一級建築士 鈴木のコーナーです。
明日は棟梁 西川お話をご紹介させて頂きます。
☆古みんかライター 事務局長 永嶺☆