奈良公園3〜一般社団法人 古みんか倶楽部岐阜〜
2016年10月25日

奈良へ寄ってみたくなった一つの理由として、もう10年ぐらい経ってしまうんでしょうか、TVの番組のなかの映像が頭の片隅に残っていまして、そこの場所に行って見てみたいという思いがずっとありました。
それは建物でもなんでもないんです小路です。
急に訪れたので東大寺の何処かということだけで何も知識を持っていませんでした。
二月堂を見たあと来た路とは違う路を歩いていくと脳裏にある画が、あつ、「ここだ」・・・。
この路は二月堂の「裏参道」というらしいです。
ここは西に開けた広くつながる緑の木
々を背景に石畳みの路面と野積みの上に粗削りの土塀からなる趣きのある空間になっています。
この佇まいの素の美しさに心を惹きつけられてしまいました。
ところで2月堂はよくTVなどで春の訪れを伝える風物詩としてとりあげられる「お水取り」行事として有名なところです。
実物を初めて見たのですが予想以上の建物で、木構造と意匠が明確で端正なデザインです。
西に向かって下がる斜面に清水寺と同じようにかけ造り(舞台と建物を床下の柱で支える)で造られています。
舞台下から見上げると、床下は舞台を支える柱と縦格子で面がつくられていて、屋根は寄棟で出来ていますが舞台側が妻の三角形を見せていますので軒先と舞台床と欄干の水平ラインが際立ってみえます。
そして斗きょうがアクセントをつけています。
建物の脇にある階段を上がって舞台上に立ってみると西に大仏殿と奈良の町を一望することが出来、これも予想以上の展開でしばらくの間景色を眺めるばかりでした。
いかがでしたか?
本日は一級建築士 鈴木お話をご紹介させて頂きました。
古みんか倶楽部岐阜では日替わりで古民家について専門家のお話を掲載致します。
毎週火曜日は一級建築士 鈴木のコーナーです。
明日は棟梁 西川のお話をご紹介させて頂きます。
☆古みんかライター 事務局長 永嶺☆