奈良公園 大仏殿〜一般社団法人 古みんか倶楽部岐阜〜
2016年10月18日

大仏殿の構造、様式について調べてみますと、寺院建築様式には和様、禅宗様、大仏様(だいぶつよう)があります。
江戸時代に再建された時、鎌倉時代に大陸の宋より伝わった大仏様を主に取り入れて造っているそうです。
そして、屋根・庇廻りには大仏様の特徴である挿肘木(さしひじき)を使っています。
そこで「斗?」(ときょう)について少し勉強しました、これは軒や屋根の重さを支え、柱に荷重を伝える接合部材です。
そして部材を組み合わせた組物(くみもの)で肘木(ひじき)を受ける枡形(ますがた)の部材を斗といい、また肘木とは前後左右に腕のように渡した横木で上からの荷重を受けるものをいいます。
そして、これを?(きょう)というそうです。
この組み合わせた組物を斗?と言うそうです。
和様、禅宗様の組物(斗?)は柱の上に載っているのに対し、大仏様は柱を上まで伸ばし肘木を柱に挿し込む工法で造られています、これを挿肘木(さしひじき)といいます。
また、大仏殿の斗?は挿肘木を横への拡がりをせず前へ大きく出し、挿肘木を6段に重ねる「六手先」(むてさき)という手法で造られています。
その他、主な大仏様の特徴は屋根裏が見える化粧屋根裏で造られ、そのまま垂木の勾配が屋根勾配となる。
そして屋根は本瓦葺きです。
また、貫(ぬき)で繋ぎ楔(くさび)で締めて固定して木組を強化している云々です。
大仏殿の中に入ってまず目に付く太くて高い柱は、芯材は槻(つき)の木(ケヤキの古名)でつくり、その廻りを檜の板を樽のように巻いて釘で止め、金属(銅板らしい)の板で締めつけて造られています。
どうも、江戸時代にもこれに合う大きさの材が無かったそうです。
いかがでしたか?
本日は一級建築士 鈴木のお話をご紹介させて頂きました。
古みんか倶楽部岐阜では日替わりで古民家について専門家のお話を掲載致します。
毎週火曜日は一級建築士 鈴木のコーナーです。
明日は棟梁 西川のお話をご紹介させて致します。
☆古みんかライター 事務局長 永嶺☆