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古民家・旧家リフォームの古みんか倶楽部 岐阜

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名古屋城本丸御殿〜一般社団法人 古みんか倶楽部岐阜〜

2016年10月04日

家族の用事で名古屋へ出かけ、古民家ではないですがその帰りに名古屋城本丸御殿に寄ってみました、ここのみどころは歴史的文化価値を重視し出来るかぎり忠実に再現をしていることだと思います。
完成したのは1615年(慶長20年)で、将軍上洛の際宿舎などとして使われていたそうです。

又、伝統建築の技術も忠実に再現され、柱・地長押の「ひかりつけ」の技法や対面所の折上げ格天井の施工、左官工事の漆喰仕上と三和土(たたき)仕上、建具の組子や彫刻欄間など丁寧に名古屋城本丸御殿特設サイトのホームページで製作過程が紹介されています。

分かりやすい映像になっていると思い
ますので、興味のある方はぜひ見られることをお勧めします。

入場して行くとまず玄関・表書院に出ます、そこで目を奪われるのはなんと言っても襖・壁の狩野派の絵です、当時を忠実に再現されたそうですがこんなに鮮やかで華麗なものかと驚かされるほどです。

玄関には藩主に謁見する者が控える一之間・二之間があります、ここは襖・壁には金地に虎と豹が描かれています、徳川家の権威を示して相手を威圧するためと聞きました。

表書院は正式に家臣などと謁見する間で上段之間・一之間・二之間・三之間と大広間になって総檜の造りになっています、上段之間は金地に床と違い棚を設け折上げ天井となり格式を高くしています。

そして表書院の襖・壁の絵
は金地に花鳥画が描かれています。

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そこから先へ進むと身内などと対面・宴会に使われていた対面所に着きます、個人的にはこちらの方が強く印象に残りました。
入側からしか見ることが出来ませんが上段之間・次之間の襖・壁の絵が鮮やかで繊細な感じが伝わりさわやかな青が印象的でした。
また枠と天井格子が黒漆塗で仕上られ、色のコントラストは非常に印象的です。襖絵や壁の絵は洛中・洛外の
庶民の生活が描かれているそうです。対外を意識した玄関・表書院は全て総檜の白木で造られているのに対して、
身内の対面を主とした対面所の天井が黒漆塗を使用されていることには考えさせられました。

また、観覧の見せ方として外光を出来るだけ遮り、照明により見せているので感じ方の違いもあると思いますが。

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また、工事中の現場を見学できるようになっています、外部鉄骨階段を上っていくと上洛殿の工事現場を上から全体を見渡せるようになっています。

ちょうど上洛殿の屋根小屋組みの段階でした。
全体的に飲み込まれた感がありもう一度訪れて細部をもう一度見たいというのが正直な感想です。

 

いかがでしたか?
本日は一級建築士 鈴木のお話をご紹介させて頂きました。
古みんか倶楽部岐阜では日替わりで古民家について専門家のお話を掲載致します。
毎週火曜日は一級建築士 鈴木のコーナーです。
明日は棟梁 西川のお話をご紹介させて頂きます。

☆古みんかライター 事務局長 永嶺☆

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