新たな出発〜一般社団法人 古みんか倶楽部岐阜〜
2016年09月24日

よく古民家は構造計算ができないという話を聞くことがあります。
いや、正確に言うと出来るのだけれどかなりの費用コストが掛かると聞いています。
それは「限界耐力計算」という計算方法で導き出すようですが、学問を重ねた者でなければとても難しいそうです。
構造計算は、マンションや3階建ての住宅などに対しては法的に義務づけられていますが、しかし2階建てで延べ床面積が500平方メートル以下の木造住宅には構造計算の義務づけはありません。
義務づけられていないがために、日本に現存する数千万戸の2階建て木造住宅のほとんどが構造計算されていないのが実状なのだそうです…
よく木造の長持ちを法隆寺と現在の住宅とで比較されることがありますが、法隆寺の柱は直径1メートルもの丸い柱です。
しかし、現在の住宅のは柱は105ミリと、法隆寺の柱と耐力比較すると80倍もの違いがあるといいます。
つまり住宅80本分の柱が法隆寺の丸太の柱一本分に相当するので住宅の長持ちとの比較対象にはならないのであります。
このように建物では相違することもあるため、中の構造体は非常に重要であり、構造計算もまた重要であるといえます。
しかし、伝統建築では、現代の科学では照明できないほど崇高な知恵が棟梁の腕により施されています。
これを照明できなければ地震に弱いという結論が出されたり、古いから地震に弱いと古民家を取り壊すことにはどうかと思う時もあります…
常識にとらわれない考え方も必要なのだと、アップルの創業者 故スティーブ・ジョブスも語っております。
「あなたの時間は限られている。
だから他人の人生を生きたりして
無駄に過ごしてはいけない。
ドグマ(教義、常識、既存の理論)にとらわれるな。
それは他人の考えた結果で生きていることなのだから。
他人の意見が雑音のように
あなたの内面の声をかき消したりすることのないようにしなさい。
そして最も重要なのは、
自分の心と直感を信じる勇気を持ちなさい。
それはどういうわけか
あなたが本当になりたいものをすでによく知っているのだから。
それ以外のことは、全部二の次の意味しかない。」
古民家にしてもそうですが、法律的な事は別として、建築の常識と思われてる事でも、蓋を開ければ非常識な事もあります。
他人の雑音に自分の努力はけして作用されてはいけません。
そして他人の時間に自分の時間を奪われてもいけません。
人の時間が平等であるように、他人の考えた結果や時間の上で、自分の人生を拘束されてもいけないという事をジョブスは伝えたかったのでしょう。
古みんか倶楽部岐阜にも新たな視点を加えた再出発の時期が差し掛かっているのかもしれません。
いかがでしたか?
本日は防除業 永嶺のお話をご紹介させて頂きました。
古みんか倶楽部岐阜では日替わりで古民家について専門家のお話を掲載致します。
毎週土曜日は永嶺のコーナーです。
明日は解体業 榊原のお話をご紹介させて頂きます。
☆古みんかライター 事務局長 永嶺☆