挟土秀平(はさどしゅうへい)」氏の講演会に参加して〜一般社団法人 古みんか倶楽部岐阜〜
2016年09月15日

古みんか倶楽部 岐阜 一級建築士の田中です。
先日、ご縁を頂き左官職人「挟土秀平(はさどしゅうへい)」氏の講演会に行ってきました。
皆さん、左官ってご存知でしょうか?
古民家の壁は、小舞下地(こまいしたじ)と呼ばれる竹などを格子状に編んだものの両面に、藁(わら)を混ぜた土を塗り重ねた「土壁」、消石灰+麻などの繊維+糊で作ったものを塗って仕上げた「漆喰壁」などで作られています。これらをコテを使って塗っていく職人さんを左官職人と言います。
左官は奥が深く、現場毎、部位毎にあらゆるコテを使い分け壁面を仕上げていきますが、時には「コテ絵」と言われる装飾までもコテで表現してしまいます。
「漆喰黒磨き」と言われる技法などは、仕上がると黒く塗った壁面がピカピカの鏡のようになります。そして一流の職人が塗った黒磨きは何百年経ってもその輝きが失われないと言います。驚き!以外の何物でもないですね♪
そんな昔ながらの技を使える職人さんがいなくなっているのが現状です。
伝統は伝えていかなければ後世に残っていきません。
木を刻んで継ぐ大工さんの技も しかり。
「そんなものは現代の技術でなんとでもなるでしょ〜」って声が聞こえてきそうですね。
はい、金物を使えば特別な技術を要することなく、それなりの強度を持ったものが出来上がります。精度の拡散、技術の均一化といった面では正しい方法ではありますね。
そして、住宅などの技術や精度の底上げには必要不可欠です!
ただ、この国(気候や風土)で育まれた文化や伝統は失くしたくないな〜と感じた1日でした。
田中 佐企 フェイスブックは←文字をクリックしてください。
いかがでしたか?
本日は一級建築士 田中のお話をご紹介させて頂きました。
古みんか倶楽部岐阜では日替わりで古民家について専門家のお話を掲載致します。
毎週木曜日は一級建築士 田中のコーナーです。
明日は一級建築士 安田のお話をご紹介させて頂きます。
☆古みんかライター 事務局長 永嶺☆